「口利きはしていない。忖度をしたということでしょう」だいぶ前ですが2017年流行語大賞を取ったこの言葉。悪い意味として広まりましたが、この「悪い意味」で認知されていることを悪用した仕事の現場のエピソードを紹介します!論理的思考を身につけて騙されないコツを習得しよう!
- 議論で言い負かしてくる同僚(部下・上司)がいる人
- 言葉のトリックを知りたい人
- 説得力の無さに悩んでいる人
ども!過酷なパワハラ環境から自力で脱出した脱獄リーマンこと高岡遥也です!
今回の記事は言葉のトリック「詭弁」を取り扱うよ。忖度という言葉は、一般的な意味と2017年時の使われ方のニュアンスがだいぶ異なる。このニュアンスの違いを悪用して詭弁を弄するエピソードを頂戴したので、紹介して対策します!エピソード「詭弁マン:忖度するのは良くない」
こんにちは、長谷川と申します。私の課長の悪行エピソードをお話しします。
忖度の本来の意味とは?

忖度という言葉は、森友学園問題以降、日常生活でも耳にするようになったかもしれませんね。本来の意味をご存知でしょうか?忖度とは、相手の気持ちを考慮するという意味の中立的な意味の言葉です。
しかし、2017年に森友学園問題や加計学園問題などの政治スキャンダルが発覚した際に、この言葉が多く使われました。そのときのニュースでは、「忖度」とは「上位者の意向を推測し、盲目的にそれに沿うように行動すること」というネガティブな意味で使われ続けていたと思います。
本来、忖度することが良いことなのか、悪いことなのかは、その文脈によって変わるものであるはずです。
しかし、この意味の変化を巧みに悪用したのが私の上司である鈴木課長です。
部長に逆らう課長

私の部長は、優秀で、筋違いな事は一切言いません。会社の利益を上げるために皆で努力しようと言うタイプです。一方の鈴木課長は、そんな部長が嫌いです。努力を徹底的にしたくないタイプであるからです。
鈴木課長は、いつも部長の意見には陰で反対意見ばかりを言っています。内容を見てではなく、人を見て意見を決めているのです。
ある日部長は、各課に対して出張を命じました。私の課のみ、鈴木課長が快諾せず。鈴木課長から部長に「返事を1週間待って欲しい」と部長に申し入れがなされました。
忖度の意味を悪用する課長

課の執務室で出張の指示に対するミーティングが行われました。ここで衝撃の一言が出ました。

部長から、出張に行けとの指示が入った。しかし、部長に忖度して出張に行くんじゃないぞ。
命令を無視した行動に入りました。更に鈴木課長は部下にヒアリングを始めました。

部長と俺はどちらが正しいと思う?
踏み絵だ…。目の前に部長がおらず、鈴木課長が最上位である状況下、直接「部長が正しい」と言ってもロクな事にならない。しかしここで鈴木課長と答えると既成事実ができ上がる。どう転んでも鈴木課長に有利に事が運ぶようなアレンジ。脅迫的というか、ズルいと思いませんか?
彼は、自分の権力や地位を利用して、よく部下をいじめたり、脅したりしてます。今回の話はむしろ鈴木課長が、部下に対して、(悪い意味での)忖度することを強要していると思っています。
詭弁マンに苦しむあなたへ 被害を防ぐ方法と対処法

高岡遥也です!今回は、詭弁マンに苦しむあなたへ、被害を防ぐ方法と対処法を紹介していこう。鈴木課長は、「詭弁」「職務権限の無視・軽視」「部下へのパワハラ」と無能要素は十分だ。
中でも、忖度という言葉を使って、ストローマン論法という小技を繰り出している点が印象的だ。ストローマン論法とは、相手の主張を曲解して、自分の主張に都合の良いように攻撃する論法だ。

詭弁マンによる被害は、組織や顧客に不利益や不幸をもたらすだけでない。部下の仕事のパフォーマンスや満足度が低下するだけならまだマシ。周囲の人の心身の健康やモチベーションにも悪影響を及ぼす。
では、対策していこう!
1. 詭弁を知る

詭弁マンからの被害を防いだり、排除するために、まずは詭弁に関する知識を付けよう。詭弁に気づかなければ、いつの間にか丸めこまれてしまうよ。詭弁とは何かは以下の記事で紹介しているから、是非見てください。
2. 論理的思考力を上げる

今回の詭弁マンは、自分の都合の良いように「忖度」という言葉を使っている。具体的にどんな言葉のトリックになっているか気づくだろうか?セリフを再掲します。

部長から、出張に行けとの指示が入った。しかし、部長に忖度して出張に行くんじゃないぞ。
言葉のトリックを理解する
このセリフを分解してみるとわかりやすい。
- 部長は「出張に行く」よう指示をした
- 「出張に行く」ことは部長への「忖度」である
- 「忖度」は「盲目的に従う」ことである
- 「盲目的に従う」ことは「悪い」ことである
- 「出張に行く」ことは「悪い」ことである
鈴木課長の「部長に忖度する」は、上位者に「盲目的に従う」という意味だ。正しい論理にも見える。
言葉のトリックを暴く
次に一般的な「忖度する」の意味合いだが、上位者の「思いを汲み取る」という意味だ。会社組織は、一般的な意味合いの「忖度する」ありきの世界だ。
- 部長は「出張に行く」よう指示をした
- 「出張に行く」ことは部長への「忖度」である
- 「忖度」は「思いを汲み取る」ことである
- 「思いを汲み取る」ことは「良い」ことである
- 「出張に行く」ことは、「良い」ことである
なんと、結論がひっくりかえってしまったね。
「出張へ行くことは思いを汲み取ることである」は、論理的に間違いではないよね。でも、ここで「思いを汲み取ること」を「忖度する」という言葉を使って、部下が「出張に行く」という普通の行為を、何か特別に悪い意味を持つかのように見せかけているのだ。
これが今回の言葉のトリックなんだ。
具体的な反論の展開方法
鈴木課長は、「忖度」という言葉を敢えて選択して悪い印象を植え付けようとしている。昨今の「忖度=盲目的に従う」という意味合いを匂わせて発言し「言葉の意味のすり替え」をしているんだ。
言葉のトリックを見破るには、今回のような分解を素早く脳内で行える必要がある。これはまさに論理的思考力が必要とされることだよ。
こうして原因が特定できたならば、

出張に出ることは、忖度というより、むしろ指示に従うこと、と考えられます。指示に従うことは適切なことではないですか?
と明確に反論が可能になる。
3. 言動や証拠を「自然に」記録する

ここまでの対策を見て「目上に反論など以ての外」という人もいるだろう。そんな人が詭弁マンからの被害を防いだり、排除するためには、言動や証拠を「自然に」記録することも有効だ。
上司の指示は理不尽でない限り、その部下は業務上必要な行動は指示に従って実行すべきだよね。今回のケースでは鈴木課長は業務不履行の様相だ。トップマネジメントの意志が中間管理職で遮断されてしまい、部長の考えは現場まで届かない。こんな状態では、組織・部長・現場の全員が不幸だ。
言動や証拠を「自然に」記録することで、課長の悪行を客観的に「かつ、自然に」証明することができるようになる。すると被害に対して、他の人に相談したり、助けを求めたり、訴えたりすることができます。
「自然に」と強調している理由だけど、大層な証拠を告発形式で提出するような行為は基本的にしないこと。自然に議事録なんかを取る上で、それとなく記録するんだ。それを冷静かつ平常心で報告するのが正しい社会人だ。
あからさまな犯人特定行為や告発のような事をすると、あなた自身が「ややこしい人」と認定されるので十分に注意しよう。
これらを通じて、部長を含む正しく機能している人達に味方になってもらおう。
4. 上位者の権力を利用する

詭弁マンは、自分の権力や地位を利用して、部下をいじめたり、脅したりする。今回の踏み絵もそう。こういう奴らにはこちらも権力や地位を利用しよう。
今回のケースでは、事実「部長」が「課長」に「出張に行かせるよう」命令している。その上で「課長」が「現場」に「出張に行かないよう」命令している。
だから「部長」から「現場」に、直接「出張に行くよう指示をされた」形を作って課長に認めさせよう。嘘はつくべきでは無いので、部長に実際に直接指示をしてもらおう。立ち話で良い。部長の思いを汲み取る行為だから、即協力してもらえる。
これは、無能認定から抜け出す重要な方法の1つとして紹介しているよ。
おすすめ書籍
論理的思考って何?という方におすすめの入門本。こういう小さな積み重ねが、詭弁に騙されない自分を作ってくれます!
おわりに

言葉は、時代や社会の状況によって意味が変化していくと言えます。こういう変化への追随や柔軟な思考は大事。しかし、悪用はいけない。
このような行為に騙されないためには、今回紹介したような対策を図って相手の1歩先をいくことが必要だよ。その先にあなたのやりたい事ができる場が待っているはず!

30代半ばのサラリーマンです!入社早々から4-5年は、周囲の上司や先輩に酷く追い詰められた経験あり。早朝深夜残業サービス当たり前。今ではそんなしょうもない類の人達を努力で出し抜いて成績優秀者として報奨を得たり役職者になる事ができました。自由に、楽しく、家族第一、それでも活躍できるサラリーマンを日々目指しています。苦しみ悩む社会人を応援するためにブログ発信を決意。
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