【定性的評価】主観の評価から逃げるな!

コミュニケーション

数値で表し切れない人材やアイデアの成長可能性を見極める「定性的評価」。これをいかにうまく扱うかが人や組織の個性を際立たせる重要な材料だ!

この記事はこんな人におすすめ
  • 定性的評価の基本を学びたい人
  • 効果的な人材育成を目指すリーダー
  • 総合的な評価システムを構築したい人

ども!過酷なパワハラ環境から自力で脱出した脱獄リーマンこと高岡遥也です!

今の世の中、会社という組織では、数値目標の設定とそれに基づく評価が主流だ!定量的評価の方法を身につけることが社会人にとって、最優先課題なのは間違いない。でも、あらゆることが数値化できるわけではない。また、数値化するとしてもそれに時間が掛かりすぎる場合、定性的な材料で判断を行うべきこともあるんだ。

定性的評価の重要性を知ろう

中村係長(自慢型)

ぽてこ!取引先の競合3社のパフォーマンス評価の報告書は作成したか?

ぽてこ (努力型)

はい!報告書の中で、取引先のサービスの差についても記載しました。参考にしていただけたらと。

中村係長(自慢型)

ふん!そんなデータ化できない定性的なことを書いて何の意味がある!時間の無駄だ。

主観的な評価基準ではなくデータを重視する流れは理解できます。しかしデータで表せる事象は

  • ごく狭い範囲の明確な善し悪し
  • 広い範囲の曖昧な善し悪し

であることがほとんど。前者は定量的データの専売特許。表したいのが後者ならば、定性的情報が大きな意味を持つことがある。

数値化できないからといって価値がないわけじゃない。むしろ、その逆だ。定性的評価でこそ、人の真価やアイデアの光る部分が見えてくるんだ。

定性的評価しか出来ないものこそ大事

ぽてこ (努力型)

数字だけじゃ取引先の頑張りが見えてないと思うんです。例えばA社の営業担当のレスポンスの早さとか、提案力は…

中村係長(自慢型)

馬鹿かお前。数字にならない指標なんて評価できないから関係ないって。文句あるなら数値化して見せに来い。

生産性や業績といった数値化できる項目はよく重視されがちです。一方で、そうした数字では表し尽くせない組織力の高さやサービスの良さがあるのも事実です。あなたが数字関係なく「ここがいいんだよな」と思うのであれば、それを深堀りして言語化しよう。

定性的指標を数値化すべき場面ならば、それをアンケートでよくある5段階評価等で表すこともできる。しかし、目に見えにくい努力こそしっかりと「定性的評価」で測り、伝える必要があるんだ。定性的情報で評価に値する部分は個性の部分であることが多いんだ。

数値化に囚われず、場面にあった適切な主張をお願いしたい!

定性的評価で取りこぼさないファジーな事象

トモさん(信頼型)

数値化に時間を要したり数値化で取りこぼす項目も出てくる。人や組織を評価するには定性的指標を見るのが重要なこともあるんだ。

定性的評価が活きる例を紹介しよう。あなたの会社に「取引先パフォーマンス評価」という仕事があるとする。財務・サービスの質・対応の早さ・値段の安さをそれぞれ5段階評価をして、総合判断するとある。A社は、4-4-4-4の点数、B社は4-4-4-3とコストの面でA社が有利だ。この差は年間200万円だったとしよう。

定量的評価だけで進めるとA社に軍杯が上がる。一方、A社の窓口は連絡する度「それは無理だ」と断ってくる。B社はいつも快諾だ。A社を担当するあなたの会社の担当者は、仕事時間の半分がその押し問答(やり取りや資料作り)に当てられている。年収500万円であれば、250万円以上が充てられているとも考えられるわけだ。となると、さてコストの差は逆転をしてしまう。心労を考えると、B社を採用した方が明らかにメリットがあるだろう。

ここまでわかりやすいものは良いけど、変動幅が大きく数値化が難しいなどの場合、定量的評価ができず無視されることが考えられる。明らかに定性的指標の面でメリット・デメリットが大きい場合でも、である。これでは、本質を見ないふりをしているのは自明でしょう。

定量的指標に時間の概念を入れ込むのは難しい

ビジネスの将来性や、過去破綻しかけた時に助けてくれた信頼性や協力性はどうだろう。これらも数値化は難しいが相当重要なファクターには間違いない。例えば、

  • 製品やサービスそのもので見れば同等の品質なので、定量的には同じ評価になる。
    • A社は手作業
      • 比較的変動に強いが、大量生産に弱い
    • B社は自動機を導入している
      • 変動には弱いが、大量生産に強い

このような場合、あなたの会社が目指す製品やサービスの将来的な規模によって全く違う評価が生まれるはずだ。

  • 財務状況がどちらも問題のない判定である2社について、定量的には同じ評価だった。過去、会社が債務返済に苦しんだ時の対応を考えた。
    • A社は返済期限を大きく後ろ倒ししてくれ協力姿勢であった
    • B社は返済期限を前倒し要請してきて保守姿勢であった(こちらの方が普通の心理だと思うが)

このような場合、あなたの会社の現在の財務状況や抱えるビジネスのリスク、また受けた恩をどうするかというビジョンに応じて全く違う評価が生まれるはずだ。

ここで「時間の概念」「確率の概念」あたりが5段階指標だけでは無理が生じやすいと気づくよね。
これらは「価格」の5段階指標を算出した場合に、考慮されるか否かがグレーなラインだ。こういう場合には、定性的な視点も必要になり、それが重要になることもあるんだ。

数値では表しきれない人材の成長

他にも、肌感覚として完全に人を定量的評価することは不可能です。人間にやれることは無限にある。そのどれが役に立つのか、全てを網羅することは不可能ですけどね。個人の可能性や成長性は、定量的指標だけでは決してつかみきれません。 目に見える成果もさることながら、大切なのは目に見えない、人の内面の成長なのです。

定性的評価力が問われている

ここまで語ってきた通り、単にデータ解析能力だけでなく、数字では表しきれない価値を見抜く鋭い洞察力こそ、マネジメントには欠かせないんだ。定性的指標は、例えば以下のように処理される。

  1. 定性的指標を捉える    ※人間の視点・能力依存
  2. 定性的指標を定量化する  ※人間の視点・能力依存
  3. 指標の良し悪しを判断する ※機械でも可能

あるいは、こうだ。

  1. 定性的指標を捉える    ※人間の視点・能力依存
  2. -(変換しない)
  3. 指標の良し悪しを判断する ※人間の視点・能力依存

定性的指標の取り扱いは、「人間の視点・能力依存」が必ず必要になる部分だ。基準さえ決めてプログラミングで前処理(標準化)おけばいいと思った人、それもどう前処理するかは「人間の視点・能力依存」になる部分だよね?まあ現在は生成AIが全盛で、もしかしたらこの点はカバーしてくれるようになるのかもしれない。

定量的評価をしているフリ

よくある事例で定量的評価をしているフリを明らかにしてみよう。どの電子レンジを決めるかコストパフォーマンスで決めるとする。定量的評価のため、実売価格・最大出力・最大面積・機能性・耐久性・ブランド・外観を5段階評価する。新製品のA・B・Cどれが1番優れた電子レンジだろうか。

項目電子レンジA電子レンジB電子レンジC
実売価格345
最大出力534
最大面積453
機能性435
耐久性543
ブランド135
外観324
合計252429

正直、「電子レンジC」と回答できるに足る状況にありません。この定量的評価データだけでは判断困難です。理由は例えば以下のような事象が整理できていません。対策はあるにはありますが、行程が複雑化していきます。

評価基準の主観性

スコアリングに使用される基準が明確でない場合、評価者の個人的な解釈や期待によってスコアが変わる可能性があります。これは、評価者の経験、専門知識、価値観の違いによるものです。対策として複数人評価が有り得ると思います。

重要度の主観性

各項目の重要度(重み付け)は、ニーズや好みによって異なります。これは、用途や使用者の違いによるものです。例えば、ある用途では耐久性が最も重要かもしれませんが、ある用途は実売価格が最も重要かもしれません。対策として重み付けの検討評価があると思います。

評価の時点性

製品の評価は、その時点での情報や状況に基づいています。市場の変化、新しい競合製品の登場、技術の進歩などにより、評価は古くなる可能性があります。対策として時点性の統一や網羅があると思います。

推測配点の精度

未知の因子に対して、推測して配点しなければいけない事は多々あります。その推測配点は、過去の類似製品の実績なのか、全く違う製品の実績なのか、実績もないのか、実績がないなら何で評価をしたのか。対策としてマーケットリサーチがあると思います。

定性的評価だけでもダメ

悲しいけど、最後にこれまでと一見して反対意見のような主張も必要だ。定性的評価が、個性を活用する格好の場なのは間違いない。

でも、これは定量的評価をしっかりと理解した上で、表現しきれないものを定性的評価すべきだという主張であることも理解して欲しい。

定量的評価ばかりする人にも優秀な人はいるけど、定性的評価ばかりする人はほぼ間違いなく無能だ。定性的評価が活用されるのは、ベースとなる定量的評価の方法を熟知していることが大前提なんだ。

おわりに

データ重視の流れは理解できるものの、ビジネスの場では時間も限られるため、数値では表しきれないことも多いんだ。洞察力として、定性評価を軽視すべきではありません。

目の前の数字だけにとらわれることなく、より大きな視野を持つことが求められているんです。

それでは!お疲れ様でした!

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