【アンケート】答えがわかりきっているアンケートと市場のニーズ

コミュニケーション

「アンケートの結果、効果があったと回答した人が95%!」この類は、一言で信じてはいけない!特に、これを発信する側が製品・サービスをアピールする側の場合だ。落とし穴と市場ニーズの理解の重要性について掘り下げます。

この記事はこんな人におすすめ
  • 新しい製品やサービスを企画している人
  • 効果的なマーケティング戦略を知りたい人
  • プロダクトマネージャー

ども!過酷なパワハラ環境から自力で脱出した脱獄リーマンこと高岡遥也です!

今回は実話の「無意味なアンケートと無意味なアプリ開発」について語ろう。実話の提供者に配慮し、アプリの内容は「昼休み通知アプリ」に変更しています。実際には昼休み通知アプリではなかったそうですが、極めて同等レベルのアプリに関する話です。一種の「詭弁」のようなものです。

無意味なアンケートと無意味なアプリ開発

部長が作った「昼休み通知アプリ」

ここはとある小さなPCソフトウェアの開発会社。ある時、開発部門ではなく事務部門の部長が言った。

鈴木さん(威圧型)

私も自分でアプリを作ったぞ!簡単なアプリではあるが、皆使ってみてくれ!

部長が作ったのは豪華な昼休み通知システム。

  • 昼休み時間のカスタマイズ
  • 昼休みを食事・読書などスケジューリングできる
  • 昼休みの睡眠に対するスヌーズ(繰り返し起床通知)
  • 昼休みアプリ自体の外観設定

補足するとどの機能も「猿でもわかるプログラミング」的な本で作れるレベルのものだ。誰しも気づくでしょう。

ぽてこ (努力型)

こんなアプリ、巷に溢れているよ…

ここまでは趣味だから好きにしたらいい。問題はここからだった。

恐怖のアンケート

鈴木さん(威圧型)

各種業務委託先の皆さんに使ってもらい、アンケートを取ることにしました。

業務委託先はアプリ開発とは直接関係がないものの、当社が仕事を出す方だ。嫌な予感がしたものの、外部にこの無価値なアプリをインストールしてもらい、アンケートを取る事になった。試用期間は2週間。

アンケートの結果

アンケートの集計結果は、部長の想定以上だった。

鈴木さん(威圧型)

リーンスタートアップ成功だ!これは売れるぞ・・・

その後、アンケート結果を以て、どう社長を口説いたのか不明なのだけど、このアプリを強化して市場にリリースする事に決定した。
ソフトウェアの開発部門の現場からは「こんなもん売れるわけないだろ!」という声が裏では続出していた。

アンケート・開発を経て、発売

現場では散々に文句を撒き散らされつつ、それなりのクオリティのアプリが出来上がった。広告は、なぜか地域限定の小規模出版物や、部長の好きな釣り雑誌にそれなりに打ち込んだ。さあ、発売日は部長の誕生日になった。部長は意気揚々と出社し、その日1日を終えて売上を見た。

鈴木さん(威圧型)

まだ、データが反映されていない・・・?

来る日も来る日も売上データを見る部長。しかし、データは反映されない。アプリの売上は、なんと20件程度の合計約10,000円だけだったのだ。アンケートを取ったのは10社程度の業務委託先。「買いました」との報告もちらほら・・・もしかしたら部長自身も買ったのかもしれない。しかし誕生日は、発売日であるとともに部長のこころの命日となった。さよなら部長。

アンケートの信頼性

さて、アンケートの信頼性について話そう。仕事相手のお偉いさんのものにケチをつけることが非常に難しい事は想像に難くないと思う。取引先は、査定に結びついている可能性があると思うと、プレッシャーが強すぎるよね。結果として、このアンケートは失敗する。みんなが正直な意見を言える環境を作ること、それが大切なんだ。そうじゃないと、データに歪みが出てきて、本当のメリット・デメリットが見えなくなるからね。

取引先の査定への影響

取引先の査定への影響を考えると、取引先の社員の方々は本音を言いにくくなる。これは、アンケートの結果に大きなバイアスをかけてしまうんだ。つまりアンケートの回答の中身と、それ以外の事には一切の関係がないと宣言しておくべき。今回の場合、アンケートを取るときに、このようにすべきだ。

トモさん(信頼型)

取引先様の査定には、全く影響はありません。メリット・デメリットの洗い出しのための協力依頼であり、正直なご意見をいただける事を希望致します。

そうしないと、真の意見は聞けないからね。アンケートに限らず、意見交換はオープンマインドでやるべきだよ。

匿名性の確保

「査定に影響ない」と言われても本当なのか疑ってしまう心理は働く。完全にバイアスを取り除く事は難しい可能性がある。

そこで回答にバイアスをかけないためのもう一つの方法として匿名性の確保を行うことがある。匿名性のアンケートシステム等を利用して、誰が回答したか全くわからないようにする。匿名性が確保されていれば、そのようなバイアスはほぼ完全に取り除くことができる。

しかしデメリットにも注意が必要だ。匿名だからと言って、嘘や無理が書かれてしまう場合がある。GoogleマップやAmazonのレビューを見ればわかるだろう。サクラチェッカーなるものが存在するくらいだからね。

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アプリが本当に役立っているかどうか、それを見極めるためには、やはりオープンなコミュニケーションが最も望ましい。これを実践するためには普段から良好なコミュニケーションを取っておく必要があるね。

市場ニーズとのギャップ

社内ニーズと市場ニーズの違い

仮に今回のアプリが身内で好評だったからって、外の世界でも同じだと思うだろうか?市場ニーズっていうのは、複雑で多様だ。また、そもそも身内の中でレビューをしているだけでは褒め言葉が多くなるのは当然の傾向だろう。

社内では必要とされているかもしれないけど、市場では既に似たようなサービスが溢れているかもしれない。だから、市場の声に耳を傾け、実際のニーズを把握することが成功への第一歩なんだ。

身内で役立つと感じるものが、他の企業や個人にとっても価値があるとは限らない。外でも市場調査をしっかりと行って、本当に求められているものを理解することが大切だよ。

アプリの市場適応性

アプリが市場に適応できるかどうか、それを見極めるのは簡単なことじゃない。でも、それを怠ると、せっかくの努力が水の泡になるんだ。市場の動向をしっかりと分析して、製品がどう活かせるかを考えよう。市場調査を通じれば、ターゲットとなる顧客層のニーズや、競合他社の動向を理解できる。これがないと、アプリのポテンシャルを最大限に活かすことはできないんだよ。

マーケティング戦略の欠如

製品を市場に投入するってのは、ただ作って出すだけじゃないんだよ。マーケティング戦略がないと、どんなに良い製品も埋もれてしまう。ターゲット市場を理解し、そのニーズに合わせて製品を訴求することが大切なんだ。今回の場合、ほとんどニーズやフィードバックを得ていない様子。爆死するべくしてしたと言える。

プロダクトの独自性と差別化

製品に、他にはないユニークな点はあっただろうか?今回の昼休み通知アプリに関しては、Outlookとか単にスマホのタイマーとか、代替できるものが無限にあふれている状況だ。それらを使ってみただろうか。また昼休みに細かいスケジューリングをしたり、外観をいじることは本当にユーザーのやりたいことなのだろうか。使ってみなければ、他のアプリと差別化できないよ。独自性がなければ、市場での競争に勝ち残ることは難しい。だから、製品のユニークな価値をしっかりと打ち出そう。

ターゲット市場の分析

ターゲット市場を分析することは、戦略を立てる上で欠かせないステップだよ。今回の場合は、おそらくターゲット市場はサラリーマンだったのだろう。でも、実際に打っている広告が地元の雑誌や釣り雑誌であれば全くと言っていいほどマッチしていない。ターゲットか誰なのか、ターゲットが何を求めているのかを知ること。これができて初めて、効果的なマーケティング戦略が立てられるんだ。

おわりに

アンケート結果が示す「効果があった」という声に安易に飛びつくのではなく、その背後にあるデータの真実性や市場ニーズの理解を深めることが重要だよ。

特に、製品やサービスを提供する側がアンケート結果を利用してアピールする場合、その情報がどのように収集され、解釈されているのかを慎重に考えよう。

最終的には、オープンで正直なコミュニケーションを通じて、製品やサービスが本当に価値を提供しているかを見極めることが肝心だよ!

それでは!お疲れ様でした!

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